本屋大賞にノミネートされたベストセラー、『億男』を読んでみました。実際に購入したのは昨年なのですが、何となくずるずるとそのままにしてしまい、昨日やっと読み終わりました。
ネット上の著者インタビューでは、著者はこの本を書くに当たって所謂億万長者120人にインタビューしたそうです。実際、この本の中に出てくる億万長者の一人は、恐らくこの人だなと解るものでした。
さて、この本ですが、ふとしたことから三億円という大金を手にした主人公が、全額持ち逃げされ、そのお金を取り戻すまでを描いたものです。主人公の一男は、一か月のあいだ様々な億万長者に出会い、それぞれのお金に対する考え方に触れ、感じ取ります。一男は自分のお金を取り戻すと同時に、お金の真実を知りたいと願います。そして、結末にお金を持ち逃げした張本人が現れ、三億円はめでたく一男の手元に戻ります。しかし、お金の真実に到達することはできませんでした。
読み物としての面白さもさることながら、所謂お金欲しい人が好む内容がちりばめられており、実に面白いです。そして最後まで明確に語られなかったお金の真実、それは人の数だけあるものだという事でしょう。この本に出てくる億万長者の生き方それぞれ全く別の生き方をしています。
結局、一つの明確な真実というのは無いのでしょうね。