オペアンプの動作電圧 ー Max電圧での動作

継続して検証を重ねているClassAAのヘッドホンアンプですが、ある程度の危険を承知で入力側のカップリングキャパシタを省略したり、出力側のダンパ抵抗を省略したりすることで味付けが少なく、シャッキリした音に変化しました。

最後の仕上げとして、動作電圧を変えてみることにしました。最初は±2.5Vというかなり低めの電圧で動作させていました。その後昇圧モジュールを追加して、電源部に使用したパスコンの耐圧一杯の16Vを供給して±8V動作としてしようしていました。

電源電圧はかなり音質に影響するようで、±2.5Vの時は何となく眠たい感じの音で、当然ですが入力信号のピーク部分での違和感を感じていました。±8Vでかなり改善しました。この改善で大きな不満は無かったのですが、更に電源電圧を高めたらどのように変化するか、試してみることにしました。

電源電圧を高める理由の一つとして、大多数のオペアンプのデータシートの特性部分を見ると、電源電圧±15V動作時の特性しか記載されていません。つまり、オペアンプメーカーの保証する特性を得るためには電源電圧を±15Vまで高めないとならないからです。

データシートに記載された特性は±15Vの時のものです。

電源電圧を上げるにあたっては、ヘッドホンアンプの電源部分に使用しているキャパシタを耐圧の高いものに交換する必要があります。また、分圧に使用している抵抗器の変更も必要になります。

キャパシタの交換は必須です。分圧抵抗も発熱を許容損失内に抑えるため交換が必要です。

キャパシタと抵抗器を変更したら、昇圧モジュールを調整します。使用している昇圧モジュールは定格で28Vまでの昇圧ができます。定格外ではありますが、実際に調整してみると29Vまで出力ができます。試しに29V(=±14.5V)で動作させてみました。

使用している昇圧モジュールです。出力電圧は連続的に可変できます。

電圧増幅にLF412、電力増幅にNJM4558を使用しています。NJM4558は半世紀近く前の設計で、特性はあまりよくありません。しかし、ClassAA回路では電圧増幅アンプのキャラクターがアンプ全体を支配しますので、御老体のNJM4558もシャキッとした音を出してくれます。電源電圧を上げることで、よりシャキッとした音になりました。

特性はかなり改善したのですが、一つ問題が出ました。それは発熱です。電源モジュールの発熱がかなり大きく、また、定格内ではありますが、分圧抵抗もかなり発熱しています。ということで、24V(=±12V)まで電圧を落として使用することにしました。これならばほんのり暖かくなる程度に発熱を抑えられます。

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