単電源ヘッドホンアンプ ー リベンジ

前回、仮組みして失敗したヘッドホンアンプに再挑戦しました。結局、回路の設計には問題はありませんでした。ヘッドホン接続コネクタの配線ミスが原因で、正しく動作しなかったという、間抜けなオチでした。4極コネクタの、マイク端子をグランドとしていたため、上手く動作していませんでした。配線をやり直したところ、見事に動作しました。

実際に仮組をし直して、再度検証したのですが、電圧増幅部の増幅度が過剰でしたので、電力増幅部のみとしました。そして、色々な機器と接続して検証した結果、入力部と出力部を別グランドとしました。これによって、信号のオフセット処理を入力時の一回だけに簡略化しました。入力と出力をループさせると問題が生じますが、入力と出力をループさせるような運用はちょっと考えられないので、これは制限事項としました。

電力増幅部は二電源で動作しますので、入力にバイアスをかけてオフセットしますが、バイアス電流が入力機器に逆流しないように、入力側にカップリングキャパシタを入れました。計算上33μFのキャパシタで十分な性能が出ますが、手持ちの中古パーツに100μFのキャパシタがありましたので、これを使うことにしました。

使用したトランジスタは、先日買ったトランジスタの詰め合わせに入っていたS8050とS8550のペアを使うことにしました。このS8050ですが、中国オリジナルのトランジスタの様です。恐らくかなり安い価格で流通しているためか、中国製のおもちゃなどにはかなりの確率で使われているらしいです。データシートを取り寄せてみたところ、想像していたよりもずっと高性能で、最大コレクタ電流は0.5A、最大コレクタ損失は625mWで、そこそこ大きな電流が扱えるようです。ベースのカットオフ電流は0.1μAとのことですから、入力感度が低いということもなさそうです。特に欠点はなさそうでしたので、試しに使ってみることにしました。

ブレッドボードで動作確認中のヘッドホンアンプ
ブレッドボードで動作確認中のヘッドホンアンプ

今回は低い電圧での動作も目的の一つでした。モバイルバッテリーを電源にできるよう、5Vでの動作を目指しましたが、試験の過程で3.3Vでの動作検証も行い、正しく動作することを確認しました。消費電力はとても小さいので、単三電池2本でも動作すると思いますが、電圧が下がるにつれ、十分なバイアス電圧が取れなくなる関係で、クロスオーバー歪みが大きくなると思います。単三電池3本での動作が適当だと思います。

逆に、電圧が高くなるとバイアス電圧が高まり、その結果、貫通電流が生しますので、注意が必要です。12Vでの動作では、バイアス電圧の極端な増加は見られず、貫通電流は生じませんでした。ただ、今回は貫通電流対策は採っていないので、12Vが動作限界と考えた方が良いと思います。また、この辺りは温度にも依存します。最悪、トランジスタが熱暴走をおこして、焼損の可能性もあるので注意が必要です。

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