tl072(オペアンプ)をアリエクで買ったら、また偽物でした。しかし、Aliexpressで本物のオペアンプは販売されているのでしょうか？ そして、いつになったら本物のオペアンプに出会えるのでしょうか？
今回買ったオペアンプはTL072です
今回購入したオペアンプは、TI社のtl072というオペアンプです。TI社のオペアンプは偽物だらけです。しかし、これまでのAliexpressとのやり取りで、交渉のツボは心得ています。今回は、かなりの確率で偽物だろうという気持ちで臨んでいます。もし、偽物だったとしても、返金してもらって解決するつもりです。
まずは、特性試験です
今回買ったtl072の特性試験を行って、真贋鑑定をしようと思います。今回も、これまでと同じく、自作のヘッドホンアンプを使って特性試験を行います。この、ヘッドホンアンプは両電源オペアンプ用に作ってあります、したがって、偽物で良くある単電源オペアンプは一発でわかります。そして、信号経路にコンデンサを使っていませんので、スルーレートの測定にはもってこいです。
TL072のクロスオーバー歪みの観測
これは、一発でわかります。出力信号のゼロボルト付近に、水平の線が現れたらアウトです。では、波形を見てみましょう。
いつものように20kHzの矩形波を入れて観測しました。見事にクロスオーバー歪みが出ています。この、クロスオーバー歪みは、単電源用オペアンプを両電源回路で使用すると出る場合が多いです。ここでは、オシロスコープを使って観測しています。しかし、普通のテスターで単電源用か両電源用かを見分ける方法もあります。これについては、いずれ備忘録として残しておこうと思います。
TL072のスルーレート計測
偽物オペアンプの種として使用される、安価なオペアンプはスルーレート(出力電圧の立ち上がりの速さ)が低いものが多いです。そして、購入したオペアンプのスルーレートは、メーカーのサイトで知ることができます。つまり、スルーレートを測って、メーカーの公表している数値と比較すれば、真贋がわかります。では、計測です。
横方向の時間軸を1目盛り1μsにしてあります。やはり、寂しい数値が出ました。スルーレートは0.35V/μsです。本物の、TL072なら13V/μsですので、真っ赤な偽物であることが確定しました。
TL072が偽物だったので、返金請求をする
偽物オペアンプということがはっきりとわかりました。したがって、サクッと返金請求をします。↑の方に載せた写真を証拠資料として提出しました。そして、偽物と判断した経緯について記載した文面も提出しました。
そして、待つこと１日でAliexpressから回答が来ました。
Aliexpressからの回答
約一日で、Aliexpressから回答が来ました。結果は”Full refund”つまり、全額返金でした。そして、手元には使い物にならないオペアンプ100個が残りました。これ、ゴミ箱行きなんですけど、なんだかもったいないような気もします。しかし、使い道のないものなので仕方がありません。