AS16Proが激安だったので買ってみました。KZのイヤホン、ASシリーズはバランスドアーマチュア(BA)だけで構成されたイヤホンです。しかし、KZと言えばBAとダイナミックドライバ(DD)を組み合わせたハイブリッドに妙味があります。したがって、BAだけのイヤホンは傍流ともいえるでしょう。そんな傍流のイヤホンの中核ともいえるAS16Proが激安だったので買ってみました。
AS16とAS16Proの違いは?
今回購入したAS16Proの他に、旧型のAS16も所有しています。購入当時、AS16は一万円オーバーでした。しかし、今回購入したAS16Proは半額以下の4491円と激安でした。価格は安くなりましたが、スペックはどうなのでしょうか。比較してみましょう。
KZ AS16 | KZ AS16Pro | |
周波数特性 | 20-40000Hz | 20-40000Hz |
能率 | 105dB | 114dB±3dB |
インピーダンス | 15Ω | 18Ω |
高音用ドライバ | 31736×4 | 31736×4 |
中音用ドライバ | 29689×2 | 29689×2 |
低音用ドライバ | 22955×2 | 22955×2 |
AS16とAS16Proのスペックを見ると、使用しているドライバと数は同一です。しかし、能率とインピーダンスは異なっています。したがって、変更点は周波数デバイダにあると思われます。
実機を観察する
先ずはパッケージから見ていきましょう。
従来のAS16と比較して、かなり簡略になった印象です。
パッケージ側面には、スペック表示があります。しかし、このスペックの中のインピーダンス表示がHPと異なります。これは謎です。ちなみに、キャパシタが内蔵されている使われているため、テスターでのインピーダンス測定はできません。次にパッケージを開いていきましょう。
スリーブと透明板を外したところです。上部にはドライバが、下部には付属品が収められています。
ドライバの他に、ケーブルと交換用イヤーピースが同梱されています。次に、ドライバを間近で見てみましょう。
透明のシェルを通して、沢山のBAドライバが詰め込まれているのが見えます。
聴いてみた
実際に聴いてみました。若干ですが、従来のAS16と比較してAS16Proの方が、低音が豊かです。しかし、やはりBAの低音はDDの低音には敵いません。低音に関しては、ハイブリッド機やDD一発のイヤホンに軍配が上がるでしょう。しかし、高音域のキラキラ感はBAの良さが存分に発揮されています。
総BA機は、聞いた瞬間音の良さを感じます。しかし、ハイブリッド機と聞き比べをすると総BA機の良さは少し後退してしまいます。また、最近のDD機は、DD一発でもハイブリッド機に匹敵するものもあります。例えば、少し前に紹介した、KZ ZVXがそうです。もし、イヤホンを一つだけ手にするなら、現時点ではKZ ZVXでしょう。総BA機は、こってりした音に食傷気味になってからでも良いでしょう。ある意味、総BA機の良さが解るのには修業が必要かもしれません。